アルバイトの時給が
高いっすね。。。

 私が大学生のとき、時給は900円でもかなり高額でした(もう20年とか前の話ではありますが)。現在はどのくらいか皆さんご存知ですか? たとえばちとふなの場合、時給1000円以上がちらほらしてます。その高額っぷりを目にして二度見しちゃいました、それで「オレ、働こうかな?」と本気で悩みました。1日6時間働けば6000円です。それに賄いがついて、交通費がついて…、すごいです。応募はかなりあるんだろうなと思いました。でも、どうもそうではないようです。

 ちとふなにあるいくつかの飲食店に聞いてみました。みんな口をそろえて「それでも人が来ないんだよ」というんですよ。仕事がキツイから? それともほかにやりたいことがあるから? そもそもバイトをする必要がないほど生活が安定しているの? それとも・・・とこの状況に「なぜ?」がたくさん出てきました。飲食店専門の求人募集サイトに登録すると月額うんじゅう万円かかるそうですが、募集をかけて面接までこぎつけたのが2人。。。エントリーは10人あったそうですが、面接しようと思う人が5人、面接の連絡をするものの、返事が来たのが3人。1人は面接にすら来ないという状況です。2名と面接をしたものの、採用にまでは至らない。。。年間で求人に投じた金額は100万円近くになったとか。それでも見つからないという状況です。求人しても人が来ない。どこもかしこも人不足でヒドイことになっていますね。そういえば、飲食店の軒先に貼られた求人チラシはなかなかはがされませんし、「急募」の文字もかなり見かけます。なかには1200円という時給をかがげる店もあるのに、応募がかなり少ないということが見受けられます。

 それならいっそのこと時給をドン!とあげてみては?と安直にも思いました。たとえば時給2000円とか。それなら応募が来そうですよね。周辺店の求人内容から一歩抜きんでた感じで、「おっ、すげーな、ここの時給」と話題にもなりそうですし。どうなのかなーと思っていると。。。。。ここにも大きな問題が! それは今、働いている人の時給も上げなくてはいけないということ。たとえば現在、働いているアルバイトさんが時給1000円で働いているとしますね。今日から入る新人が時給2000円だとする。ん? 先輩であるアルバイトさんのほうが時給が安い。ほとんどの先輩アルバイターさんは馬鹿らしくなって辞めちゃうでしょうね。だから、求人の時給にそろえて、またはそれ以上の金額に、現在働いているアルバイトさんの時給は上がることになります。するとどうなるか。

 答え、わかりますか?

 そう! わかったアナタは素晴らしい! 答えは「メニューの改変です」。例えば1日で3人のアルバイトさんが必要な場合、時給1,000円だとすると6,000円×3人=18,000円だったところ、2,000円に時給があがると、36,000円以上になります(前から働いていたアルバイトさんは少なくとも2,100円など、新人さんとは差別化しなくてはいけないので)。人件費が2倍になると、メニューを考え直すことが必要になります。今まで300円で提供してたものを500円などかなり大幅な値上げをするか、材料費をおさえる必要が出てきます。お客さんが離れる可能性が大きいので大幅な値上げは避けますよね。そうなると現実的には材料費の圧縮か、提供する量を少なくするか、手の込んだ料理はメニューから外す(大量に作って保存することでコストをおさえる、手間がかからない料理を中心にしていく)、ということになるでしょうね。

 それに加えて、人件費が大きくなると、お客さんが入らないときが大変です。アルバイトさんを確保したのはいいけれど、お客さんが入らないと人件費がペイできないという状況になります。来客は未知数です。天気にも左右されるし、周囲のイベントにも左右されます。超人気店だって、常に満席を維持するのは非常に難しいもの。行列ができる人気店だって、なかなか予約が入らない人気店だって、スポットでガラガラになる瞬間はあります(たとえば開店すぐとか。なかなか予約が入らない店に電話して「今週、来週で空いている時間ってありますか?」と聞いてみてください。意外と空いているところってあるものですよ)。

 ここまで考えてみると時給を思い切り上げてアルバイトを募集するのは難しいということがわかります。たしかにアルバイトさんを集めて、集客して、大きく拡大していく方向性はあります。ありますが、それは来客者が増えることで対応するべきことです。たとえば新しいメニューを開発したら爆発的にヒット。来客数が2倍になったと。それで今までのスタッフでは回らないので、求人を出すという方向性ですね。それであれば拡大路線を取るべきです。ですが、今回はそうではありません。辞めたアルバイトさんの穴を埋めるための求人です。求人のために経費が増え、その人件費のために集客をしなくてはいけない。集客をするために何か新しいものをしなくてはいけないと……つまり、すべて逆の発想になっています。時給を上げて求人するのは自らの首を絞めることになります。では、どうすればいいか。それは……、まったく逆の発想ですが、求人しないこと。

 チトソシではあるお店に相談を受けました。ブレストをしながら山ほどのアイデアを出していきます。その中で「これがいいね」というものが出たら、それに合う人を探して声をかけて店主と会ってもらったり。そんなトライ&エラーを始めました。どのように変わっていくのか、その足跡を記事として残していきます。お楽しみに。

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