進化の時

悲しいとかでは全然ないのです。

ばっさりと剪定することはむしろ心地よくすらあります。たぶん、老木になり始めているのですね。バッサリと枝を切られていました。

せめて、花を咲かせた後にでもと思うのですが、もしかしたら桜は花を咲かせた後は力を出し切っていて、枝を剪定することは倒木の可能性を高めてしまうから、なのかもしれませんね。

祖師谷の南側にある桜のトンネルをご存じですか。毎年、満開のトンネルを抜けるのを楽しみにしていました。去年撮影したときは光の周りが悪くて、「来年取り直そう」と思ったことが悔やまれます。その来年(つまり今年)撮影しようと思っていた満開の姿に出会えるのはもう少し先になりそうです。

進化なんですね。世代交代の方がぴったりとくる表現かもしれません。あれだけ美しかったものを切るなんて。人はそう言います。でも、倒木の可能性があるのならば剪定するのは正しいことです。お隣の成城では根本から伐採する桜が後を絶ちませんし、先日は祖師ヶ谷大蔵駅前広場の桐も伐採されました。倒木は被害も甚大です。担当者もかなり悩んで決断したと思います。その苦労は想像を絶すると思います。

だから美しいのかもしれませんね。人生のようにいつか終わりあるものと思うからこそ、輝く。桜のトンネルだって未来永劫あるわけではない。だから美しいんだ。そう思わせてくれました。

この桜を見て、今回のコロナも似ているなと思いました。

イベント自粛、休校、買い占めなど、いろいろなことが起こっています。でも、ふと立ち止まってみるとコロナがよくしてくれたものもいくつかあります。

まずは家族と過ごす時間が増えていませんか? 健康に気を遣うようになりましたよね。そしてリモートワークなど自宅で働ける環境を手に入れたひともいますよね。これらはコロナが猛威を振るっているからこそ、手に入れられたものです。

「たしかにコロナは怖いですが、怖がっていても始まりません」とかいうつもりもないし、いったところで意味はありません。コロナが広がるなら、やれることをしていこう。そんな新しい動きがこれから加速するような気がします。無駄な会議は減るかもしれません。もしかしたら通勤は週に2回だけになるかもしれない。

自由に使える時間がかなり増えていきます。そうしたら皆さんは何をしますか?

ね? ほら、そう考えるとちょっと楽しくなりませんか?

最後に昨年撮影した桜のトンネルをご紹介します。

何年後かに、またトンネルになってくれるのを心待ちにしながら。

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