行列の先にある「真実」

行列のラーメン店っていうとどう思いますか?
並んでまで食べたいと思いますか?それとも・・・・。

千歳船橋と祖師ヶ谷大蔵には行列するラーメン店が点在します。これってすごいことですよね。千歳船橋のあそこに、環八沿いのあそこ、そして祖師ヶ谷大蔵のあそこです。※こう書けばわかる方にわかってしまいますね。

ボクは天邪鬼(あまのじゃく)なのかもしれません。正直なところ、「並んでまで」ラーメンを食べたいとは思わなかったんです。ラーメンはすぐに食べられるもの。時間がないときに食べるものなのに、行列に並んでしまうと本末転倒ではないか、と思っていたのです。祖師ヶ谷大蔵のお店でラーメンを食べて、考えが変わってしまいました。がらりと。いや、コロッとかもしれません。

行列店はやっぱりおいしいんですよ。このコロナ禍であるのに行列ができているというのはすごいことで、やっぱりおいしいから行列ができるんだなと思うようになりました。考えてみれば当たり前なのに、なんでそんな当たり前のことに気が付かなかったのでしょうかね。天邪鬼というか、単に偏屈な人間だったってことがよくわかりました。

行列するのだってたかだか10分から30分程度のことです。ちょっと考え事をしたり、スマホのゲームをすればあっという間の時間。それに、ピークタイムを外せば「すっ」と入れます。千歳船橋はオープンしてすぐを狙えばいいし、環八沿いと祖師ヶ谷大蔵は14時くらいを狙えば並ぶこともなく入れる確率が高いです(※平日の場合。週末はこの限りでない場合もあります)。




祖師ヶ谷大蔵のラーメン店はカウンターだけのお店です。食券を買って、食券をカウンターに出して、待っているときにも、もうほかのお店と違うんですよ。店のなかの空気が乱れることもなく、淡々と進んでいくんです。そう、その表現は正しくないのかもしれませんが、ベルトコンベアにのって同じ速度で進んでいくような感じ。

タイマーをセットして、ワンタンをゆで始め、麺を鍋に入れる。その間に、小松菜をシナチクと同じ長さに切りそろえていく。スープを入れて、ゆであがった麺を入れて、炙った肉を乗せて、完成したラーメンをカウンターに乗せる。

その一連の流れによどみがなく、一定なんですよね。あっ、たぶん、このお店はおいしいだろうな。カウンターの姿を見て、そんな直感が訪れます。

スープを蓮華ですくって口に入れるとじわっと滋味深い味わい、そしてシンプルにおいしい味が広がっていき、身体にしみこんでいきます。麺は中太のストレート麺。歯ごたえは良く、かき込めばもちろん、口内を火傷します。プリッとプチンのちょうど中間の食感です。

「すべての食材が調和してハーモニーを生んでいる」「小宇宙が出来上がっている」

そんな表現はまったくもってわかりませんが、麺、スープ、具材、どれもがおいしくて、また食べたいと思います。やっぱりさ、行列にウソはなんだな。とくに平日の行列にウソはない。そう確信した味でした。

行列ね。

久しぶりに行列して、行列の楽しさを見つけてしまったんですよ。みなさんは行列するときにどんなことを想いますか?

ボクは前に並ぶ人を見て、どんな人なのか想像してみたんです。髪型や立ち居振る舞い、持ち物から前に並ぶ人を想像する。たぶんまったくもって当たることはありませんが、そんな想像の世界はものすごく刺激的で楽しいです。

「どうぞ」とお店の方にいざなわれて、前の人が店内に入っていきます。

そのときに「はい」と答える人もいます。その声が想像に反して高い場合など、鳥肌が立つほどに興奮します。いったいどんな人物なんだと、カウンターの隣に座ることになったら、ラーメンの味がわからなくなるほどに、彼、または彼女のことを考えてしまうでしょうね。

なかなかに楽しいのでおすすめです。今度皆さんも行列の際、やってみてください。

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