昭和を感じた瞬間。

祖師ヶ谷大蔵にある珈琲豆専門店「皆川珈琲」さんにいったときのこと。

「あれ? 皆川さんって音楽お店で流すんですね。」
そんな言葉をかけると、昭和の世界へとピュンといざなわれました。

「ええ、カセットテープなんですよ」というんです、皆川さんは。

ヵ、カセットテープ??

音の出どころを探すと、スピーカーがあって、懐かしの「ラジカセ」がちょこんと座っていました。CDに、カセットに、ラジオと懐かしいフォルムがそこにありました。そんなことは絶対にないのですが、ラジカセは「お久しぶり」とボクに微笑んでいたような気がします。ほんとに懐かしい。そういえば、ラジカセってラジオとカセットが聞ける夢の音響機械ってことですよね、そんなことも思い出しました。

お小遣いをためて、中学の頃に買ったなぁ。CDから曲を選んで、カセットにダビングしたなー。録音のボタンを少し押すのが遅れて、イントロが録音失敗すると録り直したり。テープはノーマル、ハイポジ、メタルとかいろんなのがあって、ここぞというときに「メタル」テープを使ったなぁ。ついに使うときが来たぞ、といいながらメタルテープのフィルムをはがす。録音したテープを再生すると、メタルとハイポジはそんなに音は変わらず(違いを感じ取れず、が正しかったかなぁ)、費用対効果を考えたりしたなー。

そんな中学・高校時代を思い出す瞬間。令和になってたぶん初です。心が動いちゃいました。




カセットのフォルム、流線形だったり、シースルーだったりとデザインセンスの塊だったカセット。ボクはマクセルが好きだったなー。それでタイトルや録音リストには「レタリングシート」でフォントを転写して曲名をキレイにあしらったなぁとか。間違ったら爪で削るのが切なくて、「s」は少ないのに、間違えちゃった。。。。次間違えたら、自分で書くしかないじゃん。。。。あー、ずれた。。。。どうする? どうする?という甘い思い出。

アマゾンで調べてみるとまだレタリングシートは販売していました。1枚1000円くらい。

↓こんなのもあれば

↓こんなのもあります。

懐かしすぎて、ポチりそうになりました。汗。

そんな思い出話に花を咲かせていると、奥から皆川さんが出してきたのが「カセットボックス」です。それがこれ。

お客さんからのいただきものだそうで、杏里だの、もののけ姫だの、チョイスが素敵すぎて、いつまでも見ていられそうです。杏里のパッケージとか涙が出るほどに懐かしい。こんなだったよね、昔のカセットって。あーーーーーーーー!

皆川さんが使っていたラジカセはこちらです。

ソニー CDラジオカセットレコーダー CFD-S401

※画像をクリックすると購入画面へと進むことが出来ます。意外にも安いんですよ。1万3000円くらい。ね?安くない?

で、このラジカセはマイク入力ができるんです。iPodとか、スマホを接続して、選曲して、カセットに録音できちゃうんです。
「これが便利なんですよー」と皆川さん。

「えー!それは便利っすね、でも、選曲したら、そのままスピーカーで聞いちゃえばいいじゃないですか」とワタシ。

しばし沈黙。。。。。。。。。。

「いやいやいやー」と皆川さん。

「カセットで聞くのがいいんですよ!」と彼女はいいます。そうですよね。そうなんですよ、それがいいから、アナログに入れなおしてラジカセで聞いてるのに。。。。ふとした一言で、真夏にも関わらず冷たい空気を流してしまう、私、サコダ。大失態です。無粋すぎます。もっと考えよって思います。

皆川さんの冷たい視線と、ラジカセの冷たい視線に心の底まで冷やされながらお店を後にしました。帰って皆川珈琲さんの豆で淹れたホットコーヒーがいつもよりも温かく感じました(皆川さんの冷たい視線は言葉のあやです。冷たい空気が流れたのは事実でございます)。もう、秋はすぐそこ、なのかもしれませんね。風邪などひかぬよう、みなさまご自愛くださいませ。

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