コロナだけど、いい話(千歳船橋・久弥/その②)

こんにちは、チトソシです。

最前線でコロナと戦っている医療従事者の方々、いつもありがとうございます。私達にできることは、感謝の気持ちを伝えることと、不要不急の外出を避けることしかありません。

感謝の気持ちを表す方法はいろいろとあります。手紙を書くことや贈り物をするというのもそのひとつ。久弥さんは医療従事者の方々へ感謝の気持ちを「生ビール」で表しました。医療従事者ですと声をかけてくれたら「生ビール1杯を無料でサービスする」というものです。

コロナと戦った帰りに、1杯の生ビールでのどを潤してほしい。そんな気持ちからだったといいます。季節に関係なく、汗をかいたあとや緊張したあと、の生ビールは格別です。驚くほどのうまさです。皆さんも覚えがありますよね。その生ビールを無料で提供してもらえる、想像しただけでも、「明日も頑張ろう!」って明日への活力にしてくれそうですよね。飲食店っぽくてステキすぎるアイデアです。

久弥さんは、もともと何かの形で医療従事者の方へお礼がしたかったといいます。お弁当を病院に配るというニュースを知るのですが、自分たちにはそこまでは資金もマンパワーもないと歯がゆい気持ちになっていたといいます。お弁当ではない、何か他の形で感謝を伝えられないか、と考え続けていたそうです。

ある日の夜。夜の営業終了後、片づけをしていると、一人の女性が久弥さんを訪ねたそうです。

「生ビール、一杯飲めませんか?」と。

その日は緊急事態宣言が出されたあとで、酒類の提供は19時まででした。女性が訪れたのは20時を過ぎていたため、まことに申し訳ないけれど、お断りさせてもらったそうです。

翌日、ラジオをつけると、緊急事態宣言が終わったら何したい?という質問に、アナウンサーが「生ビールが飲みたーーーーい!」といったそうです。昨日の女性のことと、アナウンサーの声がつながって、「!」とスイッチが入ったそうです。「医療従事者の方へ無料で生ビール1杯サービス」が生まれた瞬間です。

20時過ぎに声をかけてくれた女性は医療従事者であったかはわかりません。でも、もしそうであったなら、疲れて帰ってきて、店の光を見つけて、生ビールだけでも飲ませてくれないかと勇気を出して声をかけたかもしれない。申し訳なかったなと、美弥さんはいいます。

「今までで10人くらいの方に生ビールを飲んでいただきました。皆さん、おいしい!って言ってくれて、こちらもうれしい」と彼女はいいます。

でも、と続けます。

医療従事者の方によっては「医療従事者です」とは言いずらいといいます。ニュースにもなっていますが、コロナに対峙しているとか、医療従事者ということで、差別が生まれていることを、医療従事者の彼らは気にしているのです。学童や保育園を利用している親が医療従事者であることがわかると、彼らに利用を控えてくれないかと他の親から心無い声があがる。。。そんな「心無い差別」を起こしてしまうのではないかという危惧があるといいます。

ステキなサービスを久弥さんがやっているけれど、他の医療従事者にこの話を広めてもいいのか、と話す医療従事者の方もいらっしゃるんだとか。たぶん、久弥さんへの風評被害を気にした言葉だと思うのですが、美弥さんはいいます。

「そんなの関係ない、たくさんの医療従事者の方々においしい生ビールを飲んでほしい」と。彼らが頑張っているから、今がある。どんどん、他の医療従事者の方に「久弥さんで、生ビールが飲めるよ!」と広げて欲しいと言います。

1杯の生ビールが彼らの活力になってくれる、ステキな企画です。この素晴らしいビールでの感謝、千歳船橋や祖師ヶ谷大蔵だけでなく、日本中で広がるといいですね。

(チトビアが開催できたときは、医療従事者の方へ1杯無料サービスをやろうと思います)

最終回の明日はこれからも「何か」を始めようとする久弥さんを紹介いたします。お楽しみに。

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