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花話 vol.1

呼び鈴が鳴った。そうか。今日は花束が届く日か。

息子からメールがあったのは1か月前のこと。本文は「毎月2回、花束を贈ることにした」とだけ。そっけないのは私譲りか。

私は花が嫌いだ。他界して3年たつ妻が毎朝玄関に飾っていた花。二人で住み始めて彼女は自然に、当たり前に花を玄関に飾り始めた。つぼみだった花がゆっくりと開くように、家族が増え、思い出が積み重なり、家族が花で彩られた。

花が飾られていない朝。忘れもしない。妻は体調を崩し、入院した。花は彼女が飾るものではなくなり、私が彼女を元気づけるものとなった。毎週季節の花を持って行った。近くの花屋で色味を整えてもらったことや、季節の話をしながら選んだのが懐かしい。

彼女が逝ってから、花を手にとることは皆無となった。花屋の前を通りすぎるのも嫌った。自分の人生はいかに妻が花で彩ってきたか痛感した。思い出したくなかったのだろう。花屋へは行かないと決めた。

2週間前のこと。息子からのメールで花束が届いた。呼び鈴を押したのは覚えのある女性だった。妻が入院していた病院の目の前にあった花屋の店主だ。笑顔で「お届け物です」と話す彼女は朝日を浴びて神々しかった。季節の花といいながら、妻が好きだったアナベルを抱えるほど持ってきてくれた。

今日は花束が届く日だ。どんな花束なのだろう。これほどまでに心が躍るのはいつ以来だろう。これほどまでに花が楽しみなのはいつ以来だろう。

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