祖師ヶ谷大蔵の食処で意外と「ない」ジャンルってなんだかわかりますか?
イタリアン?あの巨匠がいますね
中国料理?中華街で修業したあの店がありますよね。
ラーメン?もとフレンチシェフのあそこがあります。
フレンチ?フレンチ、ないかも。ベトナム料理は駅近にあるし、天婦羅も名店があるでしょ。
蕎麦はもう星の数ほどあるし、ピザだってあるでしょ。カレーはもう、インド人の方々がせっせと作ってます。
意外にないのが「ホッとできる家庭料理の居酒屋」なんですよね。普通でいい、でもね、どっか田舎の味を思い出させるようなそんなお店がなかったんですよ。でね、年末にできたんです。それが「季節総菜 酒 あん」さん。
この前ランチにいったので、どんな料理なのか、どれだけほっとできるのかご紹介しますね。
ランチで食べたのが「煮込みハンバーグ定食980円」

手ごねで数量限定です(たぶん毎日2~3個くらい)。手間がかかるからしょうがない。ハンバーグが手ごねで、ソースに牛肉が入っていたりとご飯が進むこと進むこと。ソースの味付けはちょっと濃いめでご飯との相性がばっちりです。残ったソースをご飯にかけるのではなくって、ハンバーグを食べたあとに残ったソースの海に、ご飯をダイブさせてやりました。木製のスプーンでかき混ぜる魅惑のリゾットが出来上がり。ハンバーグよりもこっちが食べたくなるほどにうまかったです。
味付けは家庭の味+α。このソースには隠し味が使われているだけど、わかるかな?というアクティブかつお客さんを疲れさせるようなことはいっさいありません。一口食べると「あー、これこれ!これが食べたかった!」と想像通りの味付けでほっとさせてくれます。ダチョウ倶楽部さんがアツい湯船にまたがって、「押すなよ!押すなよ!」と叫んでる。わかってるよ!といいながら、リーダーが押す。ドボン!と湯船に落ちる……(笑)。という感じの味わいです。やっぱり押すよね、そうそう、この展開的な。
ほっとさせてくれるのは手ごねハンバーグだけではありません。お味噌汁ですよ。お味噌汁。実家以外で出会ったことあるかな?具にね、もやしが入っているんですよ。シャキシャキとしんなりの中間で、出汁を吸ってて。ふぁー、これ、なつかしぃ。このもやしをかみしめたときに感じる「草」感。色で表現すると緑とか青とか、そんな感じ。優しく広がるこの瞬間が「実家」なんですよね。好き好き、これ好き。
サラダにだって心つかまれるものがあります。薄切りのかぼちゃをかっこよく言えば「ロースト」してあるんです。ドレッシングとあえたキャベツに乗ったローストかぼちゃ。これがね、食感がかわって地味にいいんですよね。心に刺さる感じ。そんなことにちょいちょい心が動かされちゃいますね。やばい、これは。
店主はイケメンですし、こんな優しい料理が食べられるなら、ご婦人は身も心もほぐされちゃうだろうなー。
あっ、ここら辺でお店情報をのせておきますね。
季節総菜 酒 あん
11:30-13:30LO、16:30-22:00LO
日曜休み
03-5490-1135
夜もね、いいんですよ。むしろ夜がいい。もちろん酒のあてはどれもおいしいんですけど、まず注文したいのは「牛すじの煮込み」600円。スジがしっかりと仕事をしてあるので柔らかすぎず、硬すぎずで。臭みはないし、これがあれば日本酒はいくらでも飲めちゃうやつですよ。やばいやつ。夜もご飯があるので定食っぽくすることもできるので、牛すじの煮込み定食してもいいし、ご飯のかわりに日本酒3杯とかでもいいし。これはねーすごくいい。
日本酒も福井のお酒「常山」があったり、信州の銘酒・大信州があったり。なかなかないんですよねー。このラインナップ。あんさんのすごいところは、大信州の梅酒があること。これがね、大信州の甘くてコッテリとしたコクのあるうまい日本酒の特徴を殺さずに梅のさわやかな香りが染み込んだ梅酒でこちらもいくらでも行けちゃうやつなんですよ。グラスに入っているのが、梅酒を作るときに漬け込まれた「梅」が入っているんです。この梅がね、もう予想を上回るおいしさ。どんな味わいだったかは秘密です。かなり驚くので、ぜひ皆さんに体験して欲しいですね。分かりやすくヒントを出せば、男女でいえば(男女ってなんだよーって感じだけど)、男性的な梅です。これ以上書くと全部書いちゃいそうなので、この辺で情報統制しちゃいますけど、とにかく男っぽい梅です。ぜひぜひお試しあれ!

はぁ、いいお店だなぁ。やっぱりね、祖師ヶ谷大蔵にはこういったあったかいお店が必要ですよね。暖簾をくぐれば「また北の?今日は飲み過ぎないでよ」なーんていわれるような、そんな場所が一つくらいあってもいいですよね。このチャンスに、地元の店を作ってみませんか?おすすめですよー。