こんにちは。もう年の瀬真っ只中ですね。例年、12月になると怒涛の如く時が流れるのに、年賀状のことがずっと頭のなかにあり、「今年こそ、ちゃんとしようよ」という心の声に、いやいや、まだ大丈夫でしょ、と答えるも、気がつくとクリスマスが終わっていて、「ほら、どうするんだよ、あんなに言ったのにさ」と心の声に責められる。そんな、ぐうの音も出ない瞬間を今年も迎えることになりまして、やっぱり今年もできなかったかと思うわけです。
若いころはダメな自分に嫌気がさして、来年こそは!と心に刻んだものですが、年を取ると、このあたりがとても柔軟になっていくわけで。まぁ、来年もこんな感じでしょ、しょうがない、しょうがない、と思うようになりました。結局何も解決しないし、進化もしないし、なんか、SDGs的ではないなーと今風に思ってみたりするわけです。
そんなことを考えながらSNSをスクロールしていると、飛びこんできたのが五明さんの「日本酒会」のお知らせ。12/26 15:00-16:00 会費3000円。クリスマスの後。いいタイミングだなぁと、思ったワケです。
まずね チトビア がリリースされた後だなと。ほうぼうに送ったり、営業したりととにかくリリースして3日間は自転車で世界一周できるんじゃないかというくらいに走りまくります。それがひと段落している頃だと思ったこと。そして私には息子がいますので、大きな声では言えませんが、「サンタクロース」をやらなくてはいけない。仮装して、ホーホーホーと何を言われても、ホーホーホーと答える、例のあれです。
そんな年の瀬の一大イベントが終わっているということもあり、SNSを見て、「いこう!」と思ったワケです。DMで申込をして、参加したい旨を伝えたときにはもう、口の中は「日本酒の芳醇な香り」が広がり始めていました。ふぁ~って。目をつぶってしまうほどに。年末最高♪ってね。
ここでちょっと五明さんをご紹介しますね。もしかして知らない人がいるかもしれないので。
五明さんは正式名称、「旬菜酒庵 五明」さんという和食店です。カウンターメインのこじんまりとした店内では、「ほぅ、その食材をこんな風にまとめるんだ。おいしいなぁ」というお料理がよく出てきます。おいしいわけです。おいしいと、まぁ、お酒も進んじゃいますよね。もう帰りたくなくなるほどに居心地がよくて……、そう、恐ろしいお店です。糖質オフダイエットをしている方がふらりと訪れたら、もう自分との戦いでへとへとになり、水分補給のために一口飲んでしまった日本酒で、理性のダムが決壊して、もう誰も止められなくなる、そんなお店です。いつも、こちらで食事させてもらうたびに「ああ、ボクはダイエットをしていなくて、本当によかった」と神に感謝するほどでございます。
五明さんがどんな人物なのかはこちらにまとめていますのでご覧ください。

というわけで、五明さんの紹介が終わったところでやっと本題です。そう、日本酒会。
日本酒会は月に1回のペースで開催されているそうで、今回のテーマは(ざっくりとまとめますが)「福井県で新しく作った酒米(さかほまれ)があるんだけど、それで何本か日本酒を作ったんだよ。それをねプレゼントするから、お店で出してみて、アンケートに答えてよ」という、福井県が絡んでいるものでした。
福井県は都内の飲食店さんに自県の食材を紹介するという活動をかなり積極的に行っているそうです。五明さんのSNSを見て、「こちらでは福井県の食材を使ってらっしゃいますよね?」と飛びこみ営業的なこともしているそうで、千歳船橋の飲み屋街に、役人さんが営業に来たりするんですって。すごいね、それって思いましたよ(なになに、その仕事すげー楽しそう!とも正直思いましたけど。だって県のお金で東京のお店を開拓して、食材を使ってくださいよぅと美味しいお店の店主さんと仲良くなれたりするわけですもんね、いいなぁー)。
五明さんの昔の同僚が福井出身で、現在、福井で県の名産・へしこを作っているそうです。そんなつながりから、福井県の食材を使うようになったそうですが、それがきっかけとなり、福井県の職員さんと繋がっていく。それで、今回の日本酒会のテーマとなったわけです。
当日。昨日は一瞬雪がちらついた「何年かぶりのホワイトクリスマス」。とくに心はときめかず、ワタシはサンタとなり、昨日の激務を振り返りながら、五明さんに到着しました。まだ参加者の方々は半分くらいで、店内はこんな感じでした。

会費3000円で、日本酒が6種類、お料理が3種類付きます。なんというコスパの高さ。メニューを見るだけで心は踊ってます、確実に踊ってました。ジャンルは……、どうでもいいか(笑)。
説明を受けながら、日本酒を飲みながら、料理をついばんでいく夢のような時間の始まりです。
飲んだお酒はこちら。
- 飛鳥井(越前町/純米吟醸)
- 一乃谷(大野市/大吟醸)
- 越の磯 無の心(福井市/純米大吟醸)
- 黒龍(永平寺/吟醸)
- 早瀬浦(美浜町/山廃純米)
- 梵(鯖江市/純米吟醸)
が35mlづつ飲めました。最後の梵は御燗。冷から御燗とさまざまなお酒を五明さんの料理と合わせていきます。もちろん、このお料理も福井のものを使ったもの。
- かつをと行者にんにくのなめろう
- ズワイガニのカニ味噌和え
- へしこはたはたもち

どれもどの日本酒とのペアリングは最高でした。もう最高でうっとりしたほどです。料理のなかでも、一番感動したのが「へしこはたはたもち」でした。
へしこって、サバで作ったり、イワシで作ったりするのですが、ハタハタは初めてでしたね。福井ではハタハタはかなりメジャーなおさかな。だから、はたはたのへしこがあってもいいものですが、自分が福井を訪れたときには目にしませんでした。
へしこはちょっとクセのある食材です。慣れるとおいしいのですがね。で、それを五明さんは軽く漬け込んだものを送ってくれないかと福井のご友人にお願いするわけです。そのへしこはたはたを炙って、小さく切った餅に載せるんです。もうね、この組み合わせは感動的でした。日本酒とあわないわけはありませんし、思い出しただけでも唾があふれ出します。へしこの糠(ぬか)のコクというか個性を餅が受け止める、そんな素晴らしい組み合わせでしたね。
かつをはコッテリとしていて、まるで生の馬肉のような、トロッとしているけれど、くどくはなく、身に溶け込んだうま味・コクがトロっととろけそうな、でもとろけない、そんなギリギリ固まっているめちゃくちゃおいしいゼリーのような感じでした。このとろみを日本酒にあわせる。かつをの身と日本酒の芳醇なエキスが口のなかで絡み合う瞬間。たまりません。
カニ味噌和えはね、うま味の塊です。丁寧にほぐされたカニ身にカニ味噌をあえてあり、もう、これだけで一生日本酒のめちゃうなーと思う絶品。ほうれん草のお浸しと合わせてあり、カニとほうれん草の合わせ技にも脱帽の二文字です。いやー、すげーっす、五明さん。
※やばいなー。料理の話ばっかりになっちゃった。「さかほまれ」で作った日本酒はどれもおいしくて感動的でした。福井の有名どころから、名前をほとんど知らないものまでずらり6種。福井っていいなぁ、また行きたいなーと思いました。
おいしいお酒と、料理を楽しむ1時間。もちろん、たのしくておいしい時間を過ごせる、コスパもいい、ということもあるのですが、ほかにもっとすごいことがあるんだなーと気がつきました。それは、ほかのお客さんと話が気軽にできること。
何度もお店に通って常連となっても、店主と話すのは一言二言だったりしますよね。忙しそうだし、今は注文がいっぱい入っているからちょっと話すタイミングではないかも?って思ったりしますよね。まずね、その心配がまったくありません。限られた人数で店主がまず話をしながら昼飲み会を進めていくわけですし、むしろ話をするための時間なのでどんどん話ができるわけです。それとお客さん同士の話が気軽にできます。これもいいなぁと思いましたね。
誰かが店主に聞くと、話が広がって。それに言葉を合わせていけばもっと広がって。営業中にはなかなかこんな広がりはないでしょうね。テーブルごとで話が完結するし、カウンターで横のつながりが生まれるくらいかと。それが店全体で話が広がっていく。これはなかなか体験できないですね。とても楽しかったです。
日本酒会のほかに、ワイン会もあるそうです。みなさんもぜひ足を運んでみてくださいね。ボクも行きます。次回はワタシと会っちゃうかもしれませんね。そんな出会いもできる、素敵な昼飲み会です。
五明さんに「チトビア」を置いていただいているのですが、それで五明さんが気を遣っていただいて日本酒会のメニューにチトビアを乗せていただき、冒頭に簡単な自己紹介をさせていただきました。自己紹介のなかで、「ほんとうにおいしいビールが出来上がりました。和食との相性もバッチリなんです!」とお伝えしたところ、せっかくだからチトビアを飲みましょうということになったんです。ドキドキですよね。目の前で、チトビアの真価が問われるわけです。もう心臓が口から出ちゃったと思います。コップに注いで、香りを嗅いで、一口。おいしいという言葉が店内に響き渡りました。ほっとしたのもつかの間です。かつおぶしを使っているビールなので、かつをのなめろうとの相性もばっちりとかうたっているのに、ほんとうにそうなのか念のため確認が必要です。かつをのなめろうとの相性はとてもいい。では寒ブリのお刺身とは?こちらもよく合いました。料理の味、素材の味を壊さずに、さらりと合わせていく。そんな日本酒っぽい感じなんですね。安心したとともに、これはいいねぇと思いました。みなさまもぜひ、五明さんで「チトビア」を味わってくださいね♪
