ランチ難民、故に出会えたラーメン店

祖師ヶ谷大蔵でランチスポットを探してますと、最近は行列ばかりで行き先を見失います。まだ12時まで数分あるのというのにどこにいけばランチにありつけるのか。

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絶望的

という言葉が頭を埋めます。オオゼキでお弁当を買って帰ろうかと本気で悩みます。

だって、駅前の蕎麦屋は店の外に10人弱並んでいるし、道を一本入るとここでも行列が。〇〇が丘に本店を構えるラーメン屋さんです。週に2度の営業でまるで舞浜にある、あのネズミのテーマパークのようになってます。行列は嫌いなんですよ。

最近、辛いものにはまってます。そうだ、駅前にある名古屋発祥のカレーチェーンに行こうと決めるわけです。ここには10辛までの激辛カレーがあるんです。5辛以上は5辛完食が条件で注文できるようになっていて、私は現在7辛を完食しています。あと3つの階段を上ったら卒業かとアイドルグループのメンバーに所属する女子のように、いつ卒業を迎えるか見据えていたり、します。

で、自動扉を抜けますと「現在、満席でございます。順番にご案内しますので、そちらでお待ちください」といわれて、そちらを見るとすでに一人お待ちだったりするんです。「じゃぁ、いいですーーーーーぅ」とairpayのCMのような言葉を残して店を後にしました。

さぁ、どうする?

不惑40といいますが、迷いまくって惑わされて、ぽいっと放り出されました(といっても満席だから店を後にしたのは私なんですけどね)。とりあえず、自転車を駐輪場から出しまして、またがりました。北へ進路を取ります。ここじゃないなー、おすしの気分でもないし、カレー、カレーなのか?うーん、カレーは今日はよくない気がする、とか言いながらチャリをこいでるとサミットに出ちゃいました。この先は塚戸の交差点。もう、この先で思い出せる飲食店ってなくない?と思いながら北へ向かいます。

と、そこに現れる白提灯。らーめんって書いてある。コロナウイルスの感染予防のため、夜の営業は自粛しています、と書かれている。ということは昼はやってるわけだ。店先から見るに、店内は真っ暗で、なーんも見えない。でも、いい香りがするんですよ。ふわぁっと。あーこれ、おいしいやつだ。自転車を止めて、逡巡もなく入店します。

カウンターだけで6席だけ。そのうち2席が空いていて、まだラーメン鉢がカウンターに残っていました。座っていいのか、声がかかるまで入ってすぐに待つべきなのか考えましたが、怒られたら戻ればいいやと着席。どうも注意はされないのでよかったようです。少し時間が空いて「ちょっと待っててくださいね。時間がかかります」と店主。よかった、勝手に座ってよかったんだと。

メニューはシンプルにラーメンが2種類、つけ麺が1種類。餃子にライスにあとはビールとかあったような。注文するタイミングも「待ち」だろうな、と思っていると、おまたせしましたとラーメンが登場しました。どれもみんな一緒で、大盛指定。そしてそれがとてもおいしそうなラーメンで。オーラが漂っていました。もう、注文は決まりました。

それからほかのお客さんのラーメンを出して、目の前にあるラーメン鉢を下げて、洗い物を完了してから、テーブルをふき、氷を入れたお水を用意してから、

「お待たせしました」

と声がかかりました。いいなぁ、このタイミング。いつ声をかけていいのかわからない。けれど、しっかりと仕事をしてから、態勢を整えて向き合ってくれるこの雰囲気。ジロウ系のピリピリとしたというか、間違えると「お前、注文の仕方知らないな」というモラハラ的な店内とはかけ離れた心地よさがあります。隣でじっと待っていたお兄さんも注文前だったんだと思いながら、お兄さんの注文が一緒だったので、「同じでお願いします」と伝えます。そこからもよかったなー。

まずね、どんぶりにお湯を注ぐんですけど、お玉でね。ギリギリまで注いだら、店主がピタッと止まります。たぶん時間をカウントしてたんだと思うのですが、ある程度時間が経ったら、どんぶりのお湯を麺茹鍋に戻して、じっくりと湯切りをします。最後の1滴が落ちるまでピタッと止まっている。なんだろう、色っぽいんですよ。器械体操の技を決める瞬間は3つカウントするといいますが、昔器械体操の選手だったのでは?と思うほどに所作が随所で止まり、美しい。

醤油ダレを計量するとき、麺の湯切り、具をのせるとき。色っぽい。この色っぽさは祖師ヶ谷大蔵のとんかつ店、鈴乃家さんの店主がキャベツを盛り付けるときの所作を思い出させてくれます。魅せてくれる、カッコいいという言葉があうんです。

見惚れているとラーメンが登場。

魚介系?いやいや鶏ガラか、なーんて「何を使っているのか知らねーよ」というほどにおいしいスープ。じわぁ~と口にうま味が広がっていき、唾液と組み合わさって、もう、うんまいうんまいの嵐。麺は中太縮れでプリンとした歯ごたえ。スープと麺の絡み?よく絡んでいるのがいいのか、いやーわかんねぇーって思いながら、麺を啜ります。

ところでね。誰がいったか知らないけど、魚介系で何を使っているからここのスープは・・・っていう人いるじゃないですか。その人ってそんなことを考えながらラーメンをすするわけですかね?こ、これは〇〇を使っている!!
ってミスター味っこか!!

いやぁ旨かった。スープは全部飲んじゃった。血圧が高いからラーメンのスープは全部飲むなっていつも言われるけど、飲まないからといって血圧が下がるわけでもないし、今回くらいいいですよね?と聞きながらごくごく飲んじゃった。背徳感ね。これこそ、最高の調味料というし。

メニューにね、つけめん(激辛)と書かれているんですよ。お金を払うときに「どのくらい辛いんですか?」と聞いたら、そりゃそうだよなーと気が抜けた質問をしたから、答えようもない感じになってしまって、店主申し訳ない。それほどに、気が抜けるほどにおいしかったです。次はつけめんだなー。もう明日行っちゃおうかな?

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