14/100 Yさん・深夜、不動産物件に一目ぼれ。祖師ヶ谷大蔵で新生活を送ることになり、リア充を満喫中。(中)

こんばんは。前回のYさんの原稿を読み返していて、「あ、やっぱり何かをつかむ人っていうのは総じて、瞬発力があるよな」と思いながら、つらつらと読み返していました。深夜(早朝?)にスマホを見ていて、不動産物件に一目ぼれして、それからお店が始まる時間に電話をしてね、会社を中抜けして物件を見に行く……。アクティブなひとって傍にいて楽しかったりするので、友達が多かったり、話しているだけで元気をもらえたりと。まぁ、酒を一緒に呑んでもたのしかったりするわけですよね。

前回に引き続き、Yさんの話はどんどんと広がっていきます。海外でぶっ飛んだ経験をしていたり。でも、ぴゅんと飛んでいってしまって、(帰ってこないで)不思議ちゃんになることはなく、反省というのかもしれませんがしっかりと後で考察していくとか、Yさんってやっぱりいい意味で女性というか、現実主義的な部分が垣間見えたりする、そんなエピソードが登場します。

あっ、前編よんでねーぞって言うあなたはこちらをご覧くださいね。

いっけね。前置きが重たくなってきちゃいましたねー。だめだめ。さくっとYさんの中編、行ってみましょう!


 みなさん、ぽーんと引っ越すじゃないですか。たまたま友達がいる町に行くのと、誰も知り合いがない町へ越すというのが半々くらいだとするじゃないですか。(誰も知らない町に越した人が)どのように街を知っていって、なじんでいくのかを知りたいですね。そうゆう記事を書いてください。

― はい。(Yさんにインタビューして記事を作りたいです ※心の声)

 祖師谷の飲食店さんとか、住人の方がこんなことしています!という情報があまり拾えないんです。めちゃめちゃ多くの人が住んでいるという町というわけでもないし、個人情報もあるので発信するのは難しいとは思うんですけどね……。三茶とか下北とか若い人も多いからかもしれませんけれど、この店どうなの?と思うと(SNSなどで)情報がすぐに拾えるんですよね。でも、祖師ヶ谷大蔵周辺ってそうゆう情報がなかなか仕入れられないなーと思います。ツイッターで調べてもなかなか出てきませんし。

― 地元のひとはもう知っていること・当たり前のことだから発信しない、という側面もあるのかもしれませんね。なので、チトソシにメールなどで連絡をいただいて、自分がそのひとに合いそうなお店を紹介することもあります。Yさんはお酒を飲みそうなので、1、2軒紹介して、あとはご自分で開拓してもらうという方法がとりやすいですね。

お願いしたいです。

今年に入ってからお店の通常営業って1か月もないですよね。だからもう、友達呼んで家飲みしようとか、一人で飲もうというのに慣れ過ぎてしまって。なので、誘われて三茶に飲みに行くっていうのも腰が重くなっているんですよ。どこからでこの腰が重い殻を破らなくてはいけないなと思っています。

― 一人でお住まいの方って苦労しますね。

そう、みんなどうしてるのかな?って思います。

― オンライン飲みっていっても疲れますしね。

いえ、結構好きです。「会わないと盛り上がらないよね」っていわれたんですけど、友達とオンライン飲みするとき、2、3時間はしゃべっちゃうので。たぶん、私がしゃべりすぎだと思うんですけど(笑)。オンライン飲みに抵抗があるかというとそんなこともないんです。

― 新しい人との出会いが難しいということですかね? 無駄に飲みに行って「なんだったのだろう?」と思うこともありましたし、誰とも会わないというわけでもなく、会いたいひとにはふたりで会うということもできるし、お金の使い方も時間の使い方も整備されたなぁと思います。

あ、それは思います。祖師谷に引っ越してきて、ホームセンターが近くにあるのがすごいなと思います。なにか専門的なもの、材料だったり、部品だったりが必要になったとき、前は渋谷のロフトや東急ハンズに行かなくてはいけなかったんです。でも、今は近くに安くて、ちゃんと知識を持った人がいるお店があります。これがとてもいいんです。

家の改造(DIY)をしてみたり、植木をいじったりとか、自分の家の時間を楽しめるように変わったというのも、この町(祖師ヶ谷大蔵)の穏やかな空気がさせてくれるのかなぁと思います。冷静に自分が今何をしたいか考えられる環境というか。そんなことをこの町に来て考えるようになりました。

 周りに住んでいる人が昔から住んでいらっしゃる人たちだと思うのですが、ちゃんと生活しているというか。地に足がついた生活をされているように思います。向かいのおじさんに影響を受けたりしています。

― どんな影響を受けるんですか?

 朝から車を磨いてて、ゴミを出すときに「おはようございます!」と声をかけてくれるんです。そうゆうふうに、朝早く起きて自分の車を磨いているのを見たら、朝起きたから(自分も)そのまま掃除機をかけよう、となったり。なんかいいですね、そうゆうの。

 別の向かいのおばちゃんは家の周りで水道工事をしているのですが、そこの警備員のおっちゃんといつも話しているんですよ。それを知ってて。いつも同じ方が警備しているんですよ。もう引っ越してしていい加減、警備員さんとも顔見知りになったので、最近は「おはようございます」と挨拶するようになりましたね。そんないい影響を受けています。ちゃんとした生活をする、みたいな。生活というか暮らし方ですかね。

 ちょっと挨拶するだけでもいいですよね。自分のおウチが1階なんですよ。1階ということで、ちょっと怖いなと思っていたのですが、挨拶することで、「ここ、女が住んでんねんな」とわかってもらえるじゃないですか。そんなことでワタシのことに目を向けてもらえる、注意してもらえるのかなと思います。あそこ、若い女が住んでるのに、おっさんが外でごそごそやってるぞ、と大変だ!と助けに来てくれる、みたいな。

 そうゆう近所の人たちのつながりって昔は普通にあったことだと思うんです。そうゆう大切なことをこの町の人たちは今でも普通に続けているなと思ったら、気がついたんです。普通に続けている、すごいなということではなく、これが当たり前なんだと。前のウチではぜんぜんそんなことはなかったんですけど、ここに引っ越ししてきて、それにも気がつけたというか。なんて言っていいかわかりませんけれど、いい影響を受けたと思います。

― 話を伺っているとYさんはトライアンドエラーを素直にするタイプだから、というのもあるんじゃないですか? 行ってみようとか、やってみようとか素直に実行する印象を持ちます。

 そうですね。興味とテンションと勢いがあれば、そのときはバ――――――――といっちゃいます。そうじゃないとずっとグダグダしているときもありますけれど。

― 今までで友達にの間で伝説になっているような「武勇伝」みたいのありますか? バ――――― っていっちゃったやつで。たとえば海外に手ぶらで行っちゃったみたいな。

 あー、東京に来たっていうのが結構、地元の友達には武勇伝っぽくなっていますね。突拍子もなく、3か月くらいで急に決めたので。東京に来るきっかけとなった幼馴染が今でも世田谷に住んでいてよく会うんですけど。その子は「すごい行動力あるよね」ってワタシのことをいってくれます。その幼馴染をきっかけに友人関係がぶわっと広がっていったんですけど、その子からしたら自分がこのくらいだとしたら(軽く円を描くYさん)、あんたはこんなくらい(3倍くらいの大きさで円を描くYさん)は行ってるやん、と言ってくれますね。

― 人付き合いで偏りがなさそうですね。

あー、そうかもしれないですねー。確かに。ただ、やっぱりコロナ禍になって、ちょっと会おうって気軽にいえるひとと、そうではないひとに分かれましたね。連絡を取る人はいますけれど、実際に会う人は非常に狭まったと思います。

― 迷ったら会わなくなりましたね。

迷ったら会わないです。一生会えないわけじゃないから、落ち着いたら会おうよっていう口癖ができたみたいな(笑)。お互い迷いがあるのなら、会わない方がいいじゃないですか。

― 会いたいというひとと、(今日のように)初めて会う人と。この2面しかありませんね。どちらでもいい、グレーな人たちとは特に会わなくなりました。

 そう、そのグレーな人たちと今までどのような接触をしてきたっけかな?って、どうしていたか、わからなくなりましたね。

― 極論するとそのグレーな人たちとは会わなくてもいいのかな、と思いますね。

 そうそう、さっき言っていたように、いろいろなものがそぎ落とされてとてもシンプルになり、これが自分のベストなのかなという状況になっていると思います。でも、そこにたまに新しい人としゃべって「へぇー」みたいな、頭の片隅においておくような会話を、お酒を飲みながらしたいですね。そのためにも、ぷらっと行けるお店が欲しいんです。唯一足りないのがそれくらいです。

― どうすればいいんでしょうね。そうゆう人ってたくさんいると思います。

 ね。とはいえね、みんなで集まりましょうよ!ということができるわけでもないわけですよね。ご時世的なものもありますし、誰でも彼でも集めればいい、というわけでもありませんし。難しいですよね。

― 例えばAさんとBさんが合うだろうなと思って会わせるのも、実はそれって「おせっかい」じゃないですか。

 そうなんですよ。わざわざ会わせるためだけに(何かイベントをする)というのも仰々しいですし。今はキッカケがないですよね。例えば日本酒が好きな人たちと飲み屋さんで出会って、「今週日本酒のイベントがあるんだけど、一緒に行く?」みたいな気軽さが生まれないんですよ。

 たまに、あの人とあの人合うんじゃないかと、男女の話なんですけど思うことがあります。「好き」って反応することもふたりは似ているし、出会いが欲しいとお互いいっているのに、お店でふたりを会わせるのもこのご時世だし。とはいえ家で、というのもいきなりすぎるだろう!と思うんです。「あたしのウチ来る?」でもいいんですけど、そうなると私はただのサービスする人になっちゃうし(笑)。難しいなぁ、どうしたらいいんだろうなぁと思いますよね。


― お酒は何を飲むんですか?

 けっこう、なんでも飲みます。そのときの気分で飲みますね。最近飲むのが家なので、ビールとかワインとかが多かったんですが、開けたら飲みきらないといけないじゃないですか。最近、それがめんどくさいなと思いますね。前住んでいたウチの近くに、通った角打ちがあって、久しぶりにいったときに、メープルで作ったスコッチみたいなちょっといいお酒を買ったんです。ストレートで飲むような大人なお酒を。それ6000円したんですよ。自分ひとりで飲むお酒で6000円ってめちゃくちゃ大冒険だったんですよ。今までは買っても3000円くらいのワインだったので。

 でも、思ったんです。長期的な目で見たらワイン1本3000円よりも、たぶん1年くらいちびちび飲める6000円のスコッチのほうがめっちゃコスパいーやないかと。おっ、わたし成長したな、大人になったなーって思ったんですよ。

 ロックでウイスキーとか飲んでみたいですね。(スコッチやウイスキーなどは)奥深い世界でもありそうですし、今までほとんど手を入れてない分野なので、気になっています。

― お金使わなくなりましたよね。

 うーん、そうでもないですね。くろがねやに行って、やたら植木を買ってしまったりとか。だから飲み代に使わなくなった分、家のことにお金をかけるようになったので、結局支出はあんま変わってないですね。

 服を減らしているかわりに、テーブルを買い替えたりとか。テーブルの塗装をはがして、色を塗り替えたり。その塗装が結構値段がして、普通に飲み行くくらいの出費がありますね。

― あれ?意外と使ってる?みたいな感じですか?

 あれー!ですね。コロナになってみんなお金たまるようになったってよく聞くけど、ぜんぜん貯まってへん!みたいな(笑)。形が残るものにお金を使うようになったというか。飲み過ぎて、体調わるいわー、みたいのはなくなりましたけどね。

― 飲み過ぎて体調悪いってこと、結構ありました?

 めちゃめちゃありましたね。酒の失敗もあります、あります。お金はちゃんと払ってるんですけど、何もいわずに帰るとか。注文しているときとかは普通に記憶があるんですけど、途中から記憶が飛んで、気がついたら家で寝てるとか。そうゆう感じくらいですかね。

 親友が中国で3か月働いたときに、そこの会社のひとが呼んでくれたんですよ。「3万円だけ持っておいで」っていわれて。そこでめっちゃ酔っぱらい過ぎて、スマホのSIMをウッドデッキの隙間に落として、大泣きしていたら、店員さんとかがぶわっと来てくれて、ウッドデッキを外してくれたりとか。そのあとに中国のカラオケみたいなところに連れていかれたんですけど、そこでも大泣きして一人で「帰る!」といってみたり。

 普段はよっぱらって泣くってことはないんですけど、そのときは酔っ払い過ぎて。上海っていう、上海ドリームの塊とか、夢で見るようなすごく素敵なお店で飲ましてもらっていて、そうゆうのに感極まりすぎて、テンションがぶわーあがって。SIMカードを外して。なんでSIMカードを外してる?落としてる?って思いますけど(笑)。

 ひとりでタクシーに乗ろうとして、結局、幼馴染が一緒に乗ってくれて帰ったっぽいんですよ。朝起きたら、部屋が花束まみれになっていて、「ナニコレ?」とぽかんとなったんですよね。聞いてみると、どうも昨日訪れたカラオケ屋さんがくれたんですよね。(超絶的な二日酔いで)地獄みたいな体調なのに、起きると目の前にはバラの花束があって。なんかまだ夢のなかにいるような感覚でしたね。

 それがいままでで一番盛大に迷惑をかけたことですね(笑)。ほかにもあるかもしれないですけどね。それにしても上海でのこと、なんも覚えてないですね。

― 盛大ですね(笑)

 すごいいい環境で飲んでいるのに……、今ではいい思い出です。でも、一歩間違えたら、ね。言葉が通じないところで、そんな酔い方をして、下手したら何かあったかもしれないな、今思うとすごく怖いですけど。ひとりでタクシーに乗ってしまったら、帰れてないかもしれませんし、クレジットカードは持っていたけれど、3万円くらいしか持っていなくて、タクシーが全然違う方面に行ってしまったら、それこそお金が払えなくて、スマホも通じないみたいな状態になっていて、どうなっていたかわからないですよね。今でもそのことを思い出すと冷や冷やします。まぁ、お酒飲む人は誰しもそんな失敗があると思いますけどね(笑)。

― はい。学生のとき、急性アルコール中毒で救急車に運ばれたとかもありますね。

 うわー。急アルとかって親に言えないですよねー(とちょっと引かれる。Yさんのエピソードだってすごいのに。。。 ※心の声)

― モノなくしたーとか、酔っぱらっちゃって、とくに気もなかった女の子と付き合うことになっちゃったりとかもありますよね。

 あー、それって男性あるあるですよね。女の子ってあんまそういう話って聞かないんですよね。

― 身を切る思いで別れますよね。

 そうですよね。やっぱりそうゆうことってうまくいかないことが多いんですか?

― どちらともいえないですかね。うまく行くときもありますし、うまくいかないとときもありますよね。気持ちが全然ないので。

 大人になってればね、そこまで気持ちがなくても、それなりに居心地がよければいけるけど、若かったら無理ですよね。好きか好きではないかというのはだいぶウエイトが高くなりますよね。

― 今、すごい真理をいいましたね。

 結婚とかってそうじゃないですか?ベースとして人として好きっていうのはあるけど、恋愛とかとは違うものがあるような。恋愛がスタートかもしれませんが、それが大きくなって、人として好きになるというか。恋愛としての刺激がだんだんなくなっていくんじゃないですか? だから普通にその人といて、生理的にイヤではなくて、居心地がよくて、「イヤ!」と思うことが一緒だったり、ご飯の好き嫌いだったり、金銭感覚だったり、そんな最低限のラインが同じなら、一緒にいられるかなと思います。私の場合は、ということかもしれませんけれど。

なかなか深い話になってきましたね。それにしても、迫田の懐かしくて恥ずかしいエピソードも登場したりと、いろんな意味でスリリングな展開にワタシも驚いている次第です。思わずカットしてしまうことも考えたのですが、ここが残ることで、チトソシのインタビューがどんなものなんだと、そんな空気や雰囲気を少しは味わっていただけたら……うれしいです。

Yさんの続きはこちら。内容は、、、そう、ちらりと話すと、テレワークになって、Yさんの仕事への姿勢が変わったお話です。なかなか戦略的に働いていく、そんなYさんの姿を感じていただけたらと思います。ではでは続きをどうぞ!

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