ついに兼田さんも最終回です。殺陣師というもの、なぜ殺陣師を志すに至ったのか、そんなことを聞きたいだけ聞いてきました。そこで、私はふと思ったんです。そもそも、インタビューさせていただいて兼田さんは伝えたいことがあったのではないか、と。そこで最後にこんな質問をしました。
― いろいろなお話をしていただきましたが、これも伝えておきたいということはありますか?
女の人がアクションを仕切るっていうのはやっぱり偏見がありますね。男社会なのでどうしてもアクションにしろ、殺陣にしろ。その中で女の子がやっているってことにスゴいっていう人もいれば、気に食わないという人ももちろんいるので。そこの壁に対して私はどうしても戦っていきたいなって思います。男女差別を感じるときがたまにあるので。
例えば女の子キャラクターに殺陣を付けんだったら絶対ワタシが勝つし!と思っちゃうんですけど、それでも男性が仕切っている社会だから。全然いいんですけど。やっぱり女の子のアクションマンとしていい仕事をこれからしていきたいなと思いますね。適した仕事とか。前向きに生きてます。以上です!
いろんな世界で男女の垣根はなくなりつつありますけれど、やっぱりまだまだ残っている世界が多いのも事実です。兼田さんのお話を伺って、その垣根を取り払おうと頑張るのも大切ですが、垣根を気にせず、自分にしかできないこと、女性のワタシだからこそできること、という柔軟性を感じました。やっぱりね、おじいさんがゲームで使う殺陣を指導するよりも、女性の殺陣師が作り出す空気ってやっぱ、そっちの方がいいのでは?と思ってしまいますしね。まぁ、極論すればそれも垣根にとらわれているわけではありますけど。おじいさんの殺陣師が生み出す、JKの剣の舞、だってカッコいいだろうし。あくまでもベクトルが心に刺さるかどうかという話で、ベクトルの色やベクトルの根っこがどこから・誰から生えているか、それはあまり関係ない、という世界にもっとなっていくと面白いですよね。
兼田さん、インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。ここまでご覧になった読者のみなさまもありがとうございます。
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